ストーリー

春が終わる雨上がり

夕暮れ近くに雨が上がる ひどい雨だった 息つく間もなくずぶぬれに あきらめて そのまま車にのりこむと 西の空に陽射しが見える エンジンをかけるとラジオから 流れてくる 懐かしい曲 なんだろうなあ 心にしみていく懐かしさ 以前もこんなことあったから 心…

深層心理探究

金曜日 アロマ講座を受講してきた晩のお話しです 自分自身をいたわる効果を期待できそうなオイルでした 深く心の中に体の中に染みわたってくるアロマの香り ひとつ、ひとつ香りを自分の中に招き入れていきます そこから自分の中の自分が見えてきたりします …

サパークラブ

酒談古談 今日は夕方には 家出したくなってしまった ふっと 隠れ処のバーにでも ふらっと ひとりで出かけたくなってしまった 接客業をしていると たまに自分がお客様側になりたくなる 自分で神経がひび割れてくるのが解るときがある こんな時は とっても怖い…

貝の皿に血赤珊瑚

どんなデザインなのか 見せて 貴方が臨んだのだわ イアリングの写真。。。 ドキドキ。。。。していらしたけれど そう・・私も写真を撮るときに悩んだの 一瞬ね 耳に着けたまま撮ろうか どうしようか。。。 以前 チョコレートを口元に運んで 自分の横顔を写真…

雨 Ⅱ

雨 Ⅱ 鏡の中の彼女は 今にも泣きそうになっている 右腕のブレスレット時計に目をやり 小さなため息をついた もう確実に間に合わない 電話をしなければ・・携帯電話に手を伸ばし 再び小さなため息をついた 「どうして こんな日に あの場所へ。。。」 朝から続…

雨 Ⅰ

雨 Ⅰ 雷が鳴っている 今朝の天気予報は当たった 季節がまたひとつ変わる ビルの合間から見える小さい窓の外を眺めながら 彼女は一人梅酒をソーダで割って 飲んでいた 「こんなフリーペーパーに載って・・・」 フッとため息をひとつつき マスターに向かって声…

月と金

この次お会いする時は。。。 「まあ。月さんお久しぶりですね。」 「やあ。金さんご無沙汰をしてます。」 「月さん、おかわりなかったですか?」 「だいぶ様変わりしましたよ。」 「金さんのほうはいかがですか?」 「それが、まあ土星さんも火星さんもスタ…

Discus

暗い交差点をわたり 小さな路地に入りかけたその場所に 小さなペンライトに照らされたような Dの文字が浮かぶ よくみると いくつかのアルファベットがならんでいる 小さな扉が 同じ文字の羅列している木の看板を下げている 今夜はもうすでに 頭の中はぼんや…